マンションのリノベでふたりの希望をどう伝える?

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わが家は子どものいない夫婦二人暮らしです。リノベーションでは、もともとの4LDKを二人のライフスタイルに合うように組み替えてみたいと考えていました。

具体的に変えたかったことを振り返ると、まず思い浮かぶのは収納です。家の中に物は多いのに、うまく使えていない場所もあり、空いているところへ何とか押し込んでいるような感覚がありました。服や靴が好きなので、それぞれをしまうスペースもきちんと設けたい。収納を増やすとともに、家の中の空間をどう使うかも考え直したかったのです。

暮らしの中で感じていた使いにくさと、変えたいと思っていたこと。それらをリノベ会社に伝えるため、一つの資料にまとめました。

暮らしているから分かる使いにくさ

一部屋を洋服部屋として使っていましたが、十分に活用できているとは感じられませんでした。天井が平らではなく、ハンガーラックを置ける場所は窓の前だけ。日差しを遮るため、窓を覆って使っていました。窓の多い角部屋でも、家具を置いて暮らすうちに、その良さを生かせない場所ができていたのです。

キッチン用品もキッチンの中に収まらず、ほかの部屋の収納に分かれていました。人を招いてパーティーをすることもあったので、食器類が多かったことも理由の一つです。物を置く場所は足りないのに、使いにくい空間は残っている。空いている場所に物を無理に収めているような状態を変えたいと思っていました。

もともとのキッチンはアイランド型でしたが、二人で料理をすると、私には動き回れるスペースが狭く感じられました。壁側に寄せれば、その後ろの空間をもっと自由に使えるのではないか。必要なら別の作業台を置いたり、テーブルを調理にも使ったりしながら、配置を変えられる余地を残したいと考えていました。

こうした使いにくさは、収納だけでなく、家具の配置や部屋の使い方にもつながっていました。

希望を具体的な言葉で資料にまとめる

こうした内容を筋道立てて整理し、資料にするのは夫のほうがずっと得意です。そこで、私たちが変えたかったことを夫がリストにまとめました。

資料の初めには、もとの家で困っていたことを書いています。収納が使いづらいこと、キッチンの作業スペースが足りないこと、十分に活用できていない場所があること。そのあとに、それぞれの空間に求める条件を具体的に並べました。

キッチン、洋服部屋、玄関、洗面スペースなど、10の空間に分け、家全体に共通する項目も別に加えています。主な要望だけで約70項目。収納を設けたいという希望から、何をしまうのか、どのくらいの作業スペースが必要か、通気性や生活音について望むことまで書き込みました。

各項目は「MUST」と「WANT」に分けました。必要な条件と、できれば取り入れたい条件を分けることで、同じリストの中でも優先順位が分かるようにしています。

家でどう過ごすかも一緒に書きました。自宅での仕事や洗濯、人を招くこと、集めているマグカップを飾りたいこと。必要な設備や家具とあわせて、その場所で私たちが何をして暮らすのかも伝えました。

当時のリストに書いていたこと

下の表は、当時の資料から六つの空間の例を選び、読みやすく整理したものです。「MUST」と「WANT」は、元の資料の区分をそのまま使っています。

空間区分当時伝えた要望
キッチンMUST収納棚とパントリーを設け、食器・鍋・小さな家電・食材などを余裕を持って収められる収納量を確保する。
書斎MUSTリビングやキッチンの生活音が届きにくい配置と、モニター二台を置ける作業スペースを確保する。
洗面・洗濯スペースMUST洗濯機の上を活用し、洗濯機やリネン類は扉などで隠せるようにする。
寝室WANT二人がそれぞれベッドの横から出入りできるよう、両側にスペースを確保する。
洋服部屋WANTにおいがこもりにくいように通気性を確保する。
リビングMUSTプロジェクターのスクリーンを天井から下ろし、使わないときは上げられるようにする。
当時の要望リストから選んだ6つの例。MUST・WANTは原資料の区分です。

計画段階で伝えた希望なので、実際に完成した家とは異なる部分もあります。

私たちの暮らしを伝える資料として

こうしてまとめたリストをリノベ会社に渡しました。好きな写真やラフスケッチで好みを見せ、暮らしの中で変えたかったことは文章で具体的にしました。

資料の最後には、書いた内容はあくまで理想であり、検討する中で変わる可能性があることも記しました。実現が難しいところがあれば、その理由や見直しの方向も提案してほしいと添えています。

今読み返すと、物の量だけでなく、しまう場所や動くための空間が私たちの暮らしに合っていなかったことが、いくつもの項目に表れています。好きな服や靴をしまう場所、二人で料理をする場所、仕事をしたりくつろいだりする空間。この家でどう暮らしたいのかを、場所ごとの具体的な希望にして伝えた資料でした。